Xanadu社、1億ドル(約113億円)のシリーズB投資を受ける
このラウンドをリードしたのはBessemer Venture Partners社で、Capricorn、Tiger Global、BDC Capital、In-Q-Tel、そして今回のラウンドに参加したGeorgian、OMERS、Tim Draperも参加した。これは、これまでのXanadu社への4,500万ドル(約51億円)の投資に続くもの。
カナダのトロントに拠点を置くXanaduは、光量子プロセッサを開発しているが、その他にも、機械学習用のハードウェアに依存しないソフトウェアパッケージ 「Pennylane」 や、光量子コンピュータのアルゴリズムを開発するためのパッケージ「Strawberry Fields」 も提供している。同社は現在、24量子ビット (またはモード) のコンピュータをパブリッククラウド上で利用できるようにしており、40量子ビットのコンピュータを開発している。将来的には、100万量子ビット規模のクラスターを開発し、複数の小型チップをネットワーク化することで実現する予定だ。
この計画については、Medium(電子出版プラットフォーム)の記事で紹介されている。Xanaduは、超伝導技術を用いた量子システムとは別に、フォトニック技術を使用しているのが特徴。
このことで、ミリケルビンの温度までシステムを冷却する必要がなく、高価な希釈用冷凍機が必要ないため、1台あたりの製造コストを数十万ドル削減することが可能だ。ただし、システムの大部分は室温で動作するが、数ケルビン度まで冷却する必要のある極低温光子検出器が使われている。ただこれも、ミリケルビンの温度に達する必要がなく、より安価な冷却技術を使うことができる。
昨年、1億5,000万ドル(約170億円)の追加資金を調達したPsiQuantum社も、同様のアプローチでフォトニック技術を活用してチップを作り、それらをネットワークで接続し、100万量子ビットのマシンを作っている。両社とも、チップの製造は商用の半導体ファウンドリで行っている。PsiQuantumはGlobalFoundriesを利用しているが、Xanadu社はどのファウンドリを利用しているかについて、まだ公表していない。
今回の投資についての詳細は、Xanaduが掲載したニュースリリースを参照。
※参考
◆Pennylane software package
◆Strawberry Fields package
◆Medium上の記事
◆今回の件に関するニュースリリース
(翻訳:Hideki Hayashi)