米国政府が量子労働力開発の国家戦略計画を発表(その他いくつかの労働力開発活動も併せて)



NSTC(The National Science and Technology Council:米国科学技術会議) のSCQIS(Subcommittee on Quantum Information Science:量子情報科学小委員会)と、科学技術政策局(OSTP)の国家量子調整室(NQCO)は、米国における国家量子計画の一環として、労働力の開発が優先事項であると表明した。この報告書は、目的のために幾つかのアクションを提言するために作成されている。量子技術に関わる人材の評価・育成、あらゆるレベルのSTEM教育の強化、量子フロンティア開拓の加速、将来のために人材プールを拡大することなどがその目的である。


34ページのこの文書では、これらの目標を達成するための4つの重要なアクションに焦点をあてられている。


  1. QIST(量子情報科学技術)のエコシステムにおける人材ニーズについて、短期的・長期的な視点で理解を深め、維持すること。

  2. 広報活動や教育関連資料を通じて、より多くの人々にQISTを紹介すること。

  3. 専門的な教育やトレーニングの機会におけるQIST特有のギャップに対処すること。

  4. QISTおよび関連分野でのキャリアをより身近で公平なものにすること。


報告書は、これらのアクションについて説明し、政府、産業界、学術界などの活動に関して提言をおこなっている。活動の進展は、学生が経験する量子的な道のり(量子技術に興味を持ち、関連分野でキャリアを積んでいく)という観点から測定することができるだろう。



量子的な道のりの各ステージにおける進行状況。[出典 量子情報科学技術人材育成国家戦略計画]



また、関連する公募も発表された。NSF(米国国立科学財団)は、ExpandQISEプログラム(量子情報科学・工学の能力拡大)を通じて、あらゆるレベル、あらゆる背景の学生を対象としたQISE研究・教育活動を立ち上げるための提案を募集している。5年間で最大500万ドル(約5.7億円)を提供し、量子力学の取り組みを新たな教育機関に拡大するものだ。特に科学分野での存在感が薄くなっているグループを抱える教育機関に焦点をあてるという。NSFはまた、モンタナ州立大学とアーカンソー大学が主導するモンタナ-アーカンソー(MonArk)NSF量子ファウンドリに対して、アーカンソー-モンタナ-サウスダコタ2D量子フォトニクスアライアンス(2DQPアライアンス)を設立するための220万ドル(約2.5億円)の助成を発表した。


これらの政府機関は、2022年4月14日に開催される国際イベント「WorldQuantumDay:世界量子デー」に米国が参加することを発表し、量子が過去、現在、そして未来の社会全体に影響を与え、利益をもたらすであろう多くの可能性を強調した。さらに、2022年2月1日に開催されたイベント「The Quantum Workforce: Q-12 Actions for Community Growth」の概要も紹介している。


これらの発表に関する追加情報は、Quantum.govのウェブサイトにあるプレスリリース、人材開発国家戦略計画、量子情報科学・工学における能力拡大のためのNSF募集、そして世界量子デーへの米国の参加に関する説明、それぞれ下記のリンクを「参考」のこと。



※参考


◆ExpandQISEプログラム

https://www.nsf.gov/publications/pub_summ.jsp?ods_key=nsf22561


◆WorldQuantumDay

https://worldquantumday.org/


◆Quantum.govのウェブサイトにあるプレスリリース

https://www.quantum.gov/nqco-and-nsf-host-quantum-workforce-q-12-actions-for-community-growth/


◆人材開発国家戦略計画

https://www.quantum.gov/wp-content/uploads/2022/02/QIST-Natl-Workforce-Plan.pdf


◆世量子情報科学・工学における能力拡大のためのNSF募集

https://www.nsf.gov/publications/pub_summ.jsp?ods_key=nsf22561


◆世界量子デーへの米国の参加に関する説明

https://www.quantum.gov/world-quantum-day/



(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report


タグ: