イスラエルのワイツマン研究所、5量子ビットのイオントラップ型量子コンピュータを発表
イスラエルのワイツマン研究所。1955年、ここでイスラエル最初のコンピュータ「WEIZAC」が誕生している。この年は、「イノベーション国家イスラエルの誕生年」と呼ばれている。Roee Ozeri教授は、同研究所の原子・分子・光学グループ(AMOS)に所属している。彼は、David Wineland(ノーベル物理学賞受賞者)の指導の下、ポスドク研究を行っていた米国から帰国後、約15年前より同国で量子コンピューティング研究のパイオニアとなった。
今回、彼のチームが、イスラエルで初となる5量子ビットの汎用量子コンピュータを開発し発表した。欧米や中国に比べると遅れているようだが、実際のところ世界でもまだ30台ほどしか実現できていない。実機の説得力としては決して遅くはないだろう。このコンピュータは、WEIZACへのオマージュとして、「WeizQC」と名付けられた。既に、次期WeizQCの開発が行われている。64量子ビットで「量子的優位性」の実現が目標だ。この開発には、量子コヒーレントフィードバックと呼ばれるものや、いくつかの新しい技術を取り入れていて、「この分野全体を前進させるかもしれない」と述べている。
詳細は下記リンクより確認してほしい。
※参考
◆WeizQCの紹介ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=OdgSQO-jQws
◆PRXQuantum で 報告されたプロジェクト
https://journals.aps.org/prxquantum/abstract/10.1103/PRXQuantum.3.010347
◆Roee Ozeri教授のラボ
https://www.weizmann.ac.il/complex/ozeri/
by Hideki Hayashi