QC Ware、Itaú Unibancoと協力して顧客維持モデルを改善

 銀行業界では、モンテカルロ解析、ポートフォリオ最適化、クレジット・スコアリング、リスク最小化など、量子コンピューティングに有効とされるユースケースが数多く公表されている。しかし、QC WareItaú Unibanco(本社:ブラジル・サンパウロ、ラテンアメリカ最大の銀行)は、量子技術の新しい応用分野である顧客維持のモデル化支援に向けて、共同研究を発表した。顧客を維持することは、多くの産業で重要な課題であり、本研究の応用は広い範囲に及ぶのではないか。


 この4カ月間のプロジェクトで、Itaú UnibancoはQC Wareに2年分の匿名化されたユーザーデータ、約18万件のデータポイントを提供した。課題は、今後3カ月以内に銀行を辞める可能性のある顧客を予測するモデルを作成することだった。このような最適化・予測問題の多くは、「quantum inspired first(量子的な発想から)」というアプローチをとることが多い。アプリケーション開発チームは、問題の数学的モデルを作成し、最初は古典的なコンピュータ上でそれを実行していく。そして、利用可能な量子コンピュータの性能が上がれば、モデルを量子マシン上で実行できるように変換し、より速く、より正確に、あるいはより多くの入力を扱える結果を得られる。


 QC Wareが今回行ったアプローチは、銀行にとってかなり有望な初期結果をもたらした。

QC Wareは、量子力学に基づく最初の実装により、Itaú Unibancoが以前使用していたアプローチから全体の精度を71%から77.5%に向上させた。同社は、今後も社内で量子に関する専門知識を蓄積し、将来の業務に量子コンピューティングを追加導入できるよう準備を進めていく予定である。


 Itaú Unibancoとの協業に関するQC Wareのプレスリリースは、こちらのリンクから。



(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report

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