レポート:APS(米国物理学会)3月例会2022年

APSは今年、3月14日から18日にかけて、シカゴにおいて3月の年次総会を開催しました。Covidには厳格にプロトコルを適用し、対面式とバーチャル式のハイブリッド会議となりました。約12,000人の参加者を守るために。APS3月例会は、毎年開催される世界最大の物理学関係者の会合です。2020年と2021年のものは、Covidによりバーチャルで開催されました。


量子情報部門(DQI)が主催したセッションは、合計118。5日間では合計995のセッションがあり、様々な部門が参加しました。DQIの各セッションでは、それぞれ5~15件の発表がありました。量子情報のあらゆる側面を網羅した1000件を超える技術発表が。量子もつれ、量子通信、量子暗号、量子アルゴリズムとシミュレーション、量子ビットの物理的実装、量子誤り訂正、耐故障量子計算、量子計測、開放量子系、量子コヒーレンス、量子ダイナミクスの制御、量子古典対応、量子論の概念的・数学的基礎などなど。


また、展示会場では、希釈冷凍機、制御電子機器、ケーブル、レーザーなど、物理実験や量子コンピュータ構築で使用する製品を数多くの出展者が紹介していました。

しかし、この会議は量子技術のエンドユーザーに焦点を当てたものではないので、他の会議で見られるようなエンドユーザー向けの量子ハードウェアやソフトウェアのプロバイダーはほとんど出展していませんでした。


今回の展示会では、私たちが知っている限り、量子関連の新製品発表は1つだけで、それは、先日ニュースで紹介した、希釈冷凍機を提供する新しいスタートアップ、Maybell社からのものでした。


私たちが参加できたのは、ごく一部でしたが、ほとんどのセッションは録音されているので、もっと詳しく聞きたい方はそちらをご覧ください(下記参照)。IBM、Xanadu、PsiQuantum、Rigetti、Quantinuum、Googleなど数社が複数のプレゼンを行いまいした。セッションを見逃した方でも、録画したものを見ることができ、技術に関する新たな知見を得ることができます。


発表の中には、既に知られていることを繰り返すものもありましたが、今後の製品性能を示唆する注目すべきものも幾つかありました。IBMは、Quantum VolumeとCLOPSの指標について、具体的な改善を計画していることでした。現在、同社の最高峰のマシンは、量子ボリューム128、CLOPS測定値2.9Kを示しています。プレゼンテーションでは、本年中に、1024の量子ボリューム、および10KのCLOPS測定を達成することが示されました。 量子ビット数を127から433に増やす予定なのは、既に聞いていましたが、量子ボリュームとCLOPSの改善予定は、初めて具体的に示されたことになります。


他に興味深かったのは、IntelがLLVMベースのC++コンパイラとシステムソフトウェアのワークフローを備えた、フルスタックのIntel Quantum Software Development Kit(SDK)を開発中であることを示す発表でした。つい最近、このことを説明する論文がarXivに投稿されていました。2量子ビットのゲートで進展を見せ、300mmウェハファブで最大55ゲートの線形アレイを操作するものです。また、Intelは、BlueForsとAforeと共同で開発した極低温ウェハプローバについて説明し、新しいウェハランから結果を得るまでの時間を大幅に短縮することを明らかにしました。私たちが知る限り、まだ誰も知らなかった点で、インテルが開発期間を大幅に短縮するのに役立つと考えられます。


この会議からも、量子テクノロジーに対する、大きな興奮と活発な活動が続いていることがわかります。私たちが注目したのは、ほとんどすべてのプレゼンテーションの最後のスライドが、そのグループが採用活動を行っていることを示して、応募を促すキャリアの紹介で締めくくられていたことです。


バーチャル・プレゼンテーションに参加できなかった方、見ることができなかった方も、幾つかの登録とビデオを見ることができるはずです。 詳しくは、APS March Meetingのホームページ(https://march.aps.org/)にアクセスしてください。

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