MITと中国科学院(CAS):それぞれが、新しい量子プログラミング言語を発表
MITと中国科学院が、それぞれ新しい量子プログラミング言語を発表した。どちらも他のプログラミングプラットフォームでは利用できない特定の機能を提供するものだ。
「Twist」と呼ばれるMITが開発した言語は、ゲートレベルの演算をおこなう際に、もつれた2つの量子ビットのうち、一方の量子ビットに対するプログラマーのうっかりミスを検出できるよう設計されている。問題となるのは、量子ビットがもつれているため、最初の量子ビットに対するゲート操作が、プログラマーが意図せず、もう一つの量子ビットにも影響を及ぼしてしまうことだ。古典的なプログラムでは、ある命令が、そこで呼び出されていない変数の状態に影響を与えることはないため、このような問題はおこらない。Twistでは「型」を導入し、純粋性という概念を使いもつれていない量子ビットを表現している。純度を持たない(もつれた)量子ビットの演算にはフラグが立てられ、プログラマがエラーを回避し、プログラムの正しさを保証するのに役立てることができる。
Twistの詳細については、MITのニュースリリース、ACMのテクニカルペーパー、およびショートビデオ(ダウンロード可能)のリンクを下記の参考に用意している。
中国科学院ソフトウェア研究所(CAS)は、同国の超伝導量子ハードウェアプラットフォームをサポートするために、量子プログラミングソフトウェア「isQ-Core」を開発した。isQ-Coreは、シンプルで使いやすく、高効率でスケーラブル、そして高い信頼性を特長とするソフトウェアである。
CASは、量子コンピューティングクラウドプラットフォーム上にisQ-Coreを展開している。詳細については、下記のニュースリリースを参照。
※参考
◆MITのニュースリリース
https://news.mit.edu/2022/new-language-quantum-computing-twist-0124
◆ACMのテクニカルペーパー
https://dl.acm.org/doi/10.1145/3498691
◆ショートビデオ(ダウンロード)のリンク
https://dl.acm.org/action/downloadSupplement?doi=10.1145%2F3498691&file=popl22main-p167-p-video.mp4
◆isQ-Coreの詳細
http://english.scio.gov.cn/chinavoices/2022-02/18/content_78056780.htm
(翻訳:Hideki Hayashi)