IonQとHyundai: 量子コンピュータを用いた電池化学の研究開発で提携
両社は、新たなVQE(変分量子固有値計算)アルゴリズムを使用して、リチウム化合物や電池化学に利用するための化学反応を調査する予定だ。電池化学に関わる量子研究プロジェクトは、過去にIBMとDaimler、トヨタとQunasysの間などで発表されている。今回IonQは、このプロジェクトが使用する量子ビットとゲート数から考えて、これまでで最も先進的なモデルになると述べている。また、IBM/Daimlerの研究は、リチウム硫黄電池を対象としていたが、この IonQ/Hyundai の研究は、リチウム酸化物(またはリチウム空気)を含む、他のリチウム系電池化合物も対象になるという。リチウム空気電池は軽量であるため、移動体向けでの期待が大きい。両社のシミュレーションでは、最低12量子ビットを必要とし、IonQで市販されているすべての量子コンピュータを使用することができる。プライベートβとして最新システムである「システム5」はもちろんのこと。
知っての通り、地球温暖化防止が叫ばれる中、電気自動車や送電網に使用される電池の増産およびコスト削減が盛んである。その中にあって、量子コンピュータを使い、新たなタイプの電池化学を発見することは大きな商業的価値を持つことになりそうである。と言うのも、分子レベルでの相互作用のシミュレーションは、古典コンピュータで処理するにはあまりに複雑すぎるからだ。
このニュースは、IonQのホームページで発表されている。
※参考
◆IBM/Daimlerの研究
https://www.ibm.com/blogs/research/2020/01/next-gen-lithium-sulfur-batteries/
◆トヨタ/Qunasysの研究
◆IonQの発表
https://ionq.com/news/january-19-2022-ionq-and-hyundai-partner-to-advance-batteries
(翻訳:Hideki Hayashi)