IonQとDuke大学、新型N-Qubitゲートを開発



[ N-Qubitゲート実装のためのDuke/IonQセットアップ図。出典:IonQ ]



量子ゲートは通常、1量子ビットと2量子ビットの2種類のゲートがある。2量子ビットゲートで一般的なのは、CNOT、CONTROL-Z(CZ),他にイオントラップ方式で使用されているMølmer-Sørensenゲートなどがある。これらのゲートは、出力状態が、両方の入力ビットの関数となるように動作するものだ。さて、もっと複雑なものを使用したい場合はどうだろう。例えば、3入力のToffoliゲート(CCNOTとも呼ばれる)は、第1と第2の量子ビットの状態がともに論理「1」のときだけ、第3の量子ビットの状態を反転させるものだ。Toffoliゲートは、古典的なAND論理演算の実装に有効で、デジタル加算回路などの実装に使用することができる。


しかし、実際に3入力のToffoliゲートを実装するのは簡単なことではない。下図のように、より小さな1量子ビットや2量子ビットゲートを合成する必要があるからだ。これは、各レベルの誤差が大きくなることを意味しており、結果として回路全体の誤差が大きくなってしまう。


[ Toffoliゲート(左)と15個の1量子ビットゲートと2量子ビットゲートの合成(右) ]



Duke大学とIonQが開発したのは、Toffoliゲートを含むさまざまなタイプのN-Qubitゲートを、1つのレベルでネイティブに実装する方法である。このゲートを使用することで、関数の簡素化と高速化を図ると共に、先の合成方法と比べ、誤差を減らすことができるかもしれない。そしてこの方法は3量子ビットゲートに限るわけではない。イオントラップ・チェーン内のすべての量子ビットに使用できる可能性がある。実装するアルゴリズムによっては、プログラマーにとって重要な利点となるのではないか。


両者はこのアプローチについて、彼らがマルチ量子ビット通信バスを使用している点をあげ、自分たちの特定のイオントラップ構造でのみ可能であると主張している。


この件に関する追加情報は、IonQが提供したニュースリリースと、arXivプレプリントペーパーを参照。



※参考


◆IonQが提供したニュースリリース

https://investors.ionq.com/news/news-details/2022/Duke-University-and-IonQ-Develop-New-Quantum-Computing-Gate-Only-Possible-on-IonQ-and-Duke-Systems/default.aspx


◆arXivプレプリントペーパー

https://arxiv.org/abs/2202.04230



(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report

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