InfinityQ社、量子アナログの商業化に向けた追加融資を受ける
By Carolyn Mathas
量子アナログコンピュータを開発する infinityQ Technology社は、新たな投資家として Hevella Capital、iGlobe Partners、Westcott Investment Group、既存のパートナーとして Cato Stonex と Louis Vachon が参加し、シード・エクステンション・ラウンドを終了、これまでの調達額は約500万米ドル(約5.8億円)に達した。
女性が主導する同社は、今回の資金調達により、従来の100倍の計算速度を誇るという次世代チップ「C∞per」の開発をさらに進め、2022年の試作品から商品化に向けて動き出す予定だ。対象のアプリケーションは、演算速度の向上と超低消費電力の両立を目指したものだ。最初のアプリケーションはビデオゲーム用で、2022年末までに2,500量子ビットを、最終的には5,000量子ビットになるだろうと、InfinityQは伝えている。
infinityQは、原子量子系のアナロジーと、アナログ電子工学に依っている。その人工原子は、基本的な計算構造としてアナログ回路を用い、集団的な相互作用を行うものだ。量子粒子を操作する必要はなく、人工原子を操作するだけである。
この人工原子の集まりは拡張性があり、有害なノイズの影響を受けないため誤り訂正が不要である。かつ本質的にサイズが小さく、低温装置の費用や複雑さなどの制限を受けないため室温で動作するなどの利点がある。
2021年に infinityQは、複雑な最適化問題を解くためのアプローチを示した「infinityQube量子アナログコンピュータ」を発表し、同年夏までに、スーパーコンピュータ「Discoverer」に量子アナログモジュールを搭載した。
詳細については、infinityQのホームページのニュースリリースを参照。
※参考
◆ infinityQ Technology社
◆infinityQニュースリリース
(翻訳:Hideki Hayashi)