EeroQが本社をシカゴに移転


超流動ヘリウムプールの上に浮かぶ電子を使用したプロセッサを開発するのは、量子ハードウェア・スタートアップのEeroQ社である。同社は、シカゴのウエストサイドにある9,600平方フィートのエンジニアリングラボ、およびオフィスのリース契約に調印した。本社を決めるにあたり、シカゴ市長のLori Lightfoot氏が提唱するINVEST South/West initiativeをはじめ、シカゴの経済界から多大な支援を受けることができたという。建物自体にも興味を引く歴史がある。1916年に、蒸気機関車や重機のライトを製造するKyle-National社の工場として建設され、1992年まで操業は続けられていた。その後この場所は買収され、Joe Mansueto氏(Morningstar創業者)が出資するビジネスイノベーションセンター「The Terminal」に改修されることになった。EeroQのCEOであるNick Farina氏は、「人材と地域のサポートが重要です。我々は、世界トップレベルの量子コンピュータの人材と、比類のない地域のサポートがあるシカゴで、そのすべてを見つけることができました」とコメントしている。また、この場所を選んだのは、「都心に近いこと、そして大きな振動のない適切なスペースを探していた」とも述べている。場所を選ぶにあたり、彼らは数日間、地中探査機を抱えて街中を歩き回ったという。


シカゴと中西部は、米国における量子活動の主要な中心地となるべく努力しているところだ。近年では、シカゴ大学、アルゴンヌ国立研究所、フェルミ国立加速器研究所、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、ウィスコンシン大学マディソン校、ノースウェスタン大学などがメンバーとなっているChicago Quantum Exchange(シカゴ量子取引所)が設立され、人材確保のための強力なパイプが提供できる準備が整えられている。また、毎年多くの企業がシカゴで成功し、ここに残ることを期待して、量子系の新企業を産業育成する「Duality Quantum Accelerator(デュアリティ量子アクセラレーター)」が昨年設立された。しかし、他の地域との競争も激しく、メリーランド州、コロラド州、北カリフォルニア、南カリフォルニアなど、米国内外の多くの地域が次の「量子シリコンバレー」を目指してしのぎを削っている。


今回の発表については、EeroQが提供するニュースリリースを参照。



※参考


◆EeroQ

https://eeroq.com/


◆INVEST South/West

https://www.chicago.gov/city/en/sites/invest_sw/home.html


◆Kyle-National Company

https://en.wikipedia.org/wiki/Pyle-National_Company_Plant


◆The Terminal

https://theterminalchicago.com/


◆Chicago Quantum Exchange

https://chicagoquantum.org/about/members


◆Duality Quantum Accelerator

https://www.dualityaccelerator.com/


◆EeroQが提供するニュースリリース

https://www.businesswire.com/news/home/20220106005374/en/EeroQ-Chooses-the-Terminal-in-Chicago-for-9600-Square-Foot-Quantum-Computing-Lab




(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report

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