Cloud Security Alliance(CSA)、Y2Qへのカウントダウン時計を作成


[ Static screen shot of the CSA Y2Q Countdown Clock. Credit: CSA ]


いつか「その日」が来ることを、ほとんどの人は認識している。誰かが強力な量子コンピュータを作り、Shorのアルゴリズムを実行し、大きな半素数を因数分解することでRSA公開鍵暗号を破ってしまうその日を。


近い将来ではないかもしれない。2,000万量子ビットのプロセッサーが必要になるかもしれない現状、しかし今後10年か20年以内に実現する可能性がある。その時に備えるためには、現在のインターネット暗号化インフラを全面的に見直し、RSAなどのレガシー公開鍵アルゴリズムを、ソフトウェアベースのポスト量子暗号(PQC)や物理ベースの量子鍵配送(QKD)を用いた新しい技術に置き換える必要がある。ここで懸念されるのは、このシステムの移行には、数百億台の機器のアップグレードかリプレースが必要であり、完了までには10年から20年かかるということだ。つまり、IT業界は今すぐこのプロジェクトに着手しなければ、将来、通信が遮断される危険性を考えなければいけない。


この問題を啓蒙するために、CSA(Cloud Security Alliance)のQuantum-safe Security Working Groupは、Y2Q(Years to Quantum)カウントダウン・クロックを設定し、この変換を行う時間が限られていることを人々に強調している。恣意的ではあるが、このプロセスを完了すべき期限として、2030年4月14日に設定している。この量子コンピュータがいつ実現するかは誰にもわからない。だが、具体的な期日を設定することで、先延ばしにしないインセンティブを与えることができると彼らは考えている。世界のITインフラをアップグレードする取り組みは、1999年12月31日を期限とした、2桁の年号を4桁の年号にするY2Kプロジェクトを彷彿とさせるものだ。Y2K問題への取り組みは、米国内だけでも1,000億ドル(約12兆円)にのぼったと言われている。


このY2Qカウントダウンクロックを発表したCSAのプレスリリースは、CSAのHPから、また時計のリアルタイム画像や残り時間の確認も下記リンクで見ることができる。



※参考


◆CSA(Cloud Security Alliance)

https://cloudsecurityalliance.org/


◆CSA Official Press Release

https://cloudsecurityalliance.org/press-releases/2022/03/09/cloud-security-alliance-sets-countdown-clock-to-quantum/


◆時計のリアルタイム画像や残り時間

https://cloudsecurityalliance.org/research/working-groups/quantum-safe-security/



(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report

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