CEAとC12、カーボンナノチューブを用いたスピン量子ビットチップを共同開発

[ Diagram of C12’s Carbon Nanotube Qubit Structure. Credit: C12 ]
CEAは、フランスのグルノーブルに本部を置く研究機関。マイクロエレクトロニクスやナノテクノロジーなど、先端技術の応用研究を行う世界最大級の組織だ。C12は、フランス・パリにあるスタートアップ企業。カーボンナノチューブ内のスピン量子ビットを利用したチップを開発している。両組織は、ウエハ上でマルチ量子ビットチップを作るため、力を合わせていくことになった。
チップの製造には、2つのステップが採用される。まずCEAが200mmCMOSラインで、ゲート電極と共振器を作る。続いてC12がその上に、科学気相成長法で炭素の同位体であるナノチューブを堆積する。C12が言うには、超高純度カーボンナノチューブを利用することで、各スピンノイズを除去するとともに長いコヒーレンス時間を可能とし、さらに高い量子化ビット接続性と容易なスケーラビリティを実現できるということだ(C12社のWebサイトでは、同社の技術がどのように機能するかについて、適切な説明がなされています(下記リンク参照))。
両社は今後も協力を続けていく。2024年には、最終的な完全プロトタイプを完成させる予定だ。その他の情報は、CEAが発表したプレスリリースで確認できる。
※参考
◆CEA
◆C12
◆C12のWebサイト 技術説明
https://www.c12qe.com/how-it-works
◆CEAが発表したプレスリリース
(翻訳:Hideki Hayashi)