Cambridge Quantum社、量子乱数生成サービス「Quantum Origin」を発表

本年12/1より、新会社Quantinuumの100%子会社となったCambridge Quantum社。同社は、QuantinuumのH-シリーズ量子コンピュータ(Powered by Honeywell)を利用した、暗号鍵生成プラットフォームを発表した。鍵を受け取るためにユーザは、APIを介してHシリーズにアクセスし、鍵を生成し、その鍵が基本予測不可能であることを保証テストにより確認し要求者に送り返す。この鍵は、RSAやAESなどの現行の暗号化アルゴリズムに加えて、NISTが選定して標準化を進めているPQC(ポスト量子暗号)にも対応している。

攻撃者が推測できる脆弱な鍵は、サイバーセキュリティ問題の重要な原因になっている。量子技術を用いて、真の意味でランダムな鍵を生成可能であれば、通信の秘密を守るべき組織に、大きな保護を提供することができるだろう。また、Cambridge Quantumは、民間の宇宙インフラ開発企業であるAxiom Space社が、地上と国際宇宙ステーションとの間で暗号化通信を行い、Quantum Originのテストに成功したことを発表。また、Futjitsu社は、自社のSDWAN(Software-Defined Wide Area Network)で、Quantum Originをテストしたことも発表した。


今回の製品発表は、Cambridge Quantumが、これまでに説明してきた量子乱数ジェネレータの、いくつかの技術デモンストレーションに基づいている。2019年3月には、ランダムな暗号鍵を生成する「Ironbridge」という製品を発表し、2020年にはIBMと提携し、量子乱数生成をサービス提供すると発表している。Quantum Originの詳細を記したニュースリリースは、Quantinuumのサイトを参照のこと。


付け足していうと、Cambridge Quantumは、2021年10月にDimensional Research社が実施した、600人のサイバーセキュリティ専門家を対象とした調査の結果も発表している。この調査では、回答者の60%が、進化した技術により、早ければ2023年には現在の暗号化が破られると予想している一方で、自分の組織が2023年までに、対して守る準備ができていると感じているのは、わずか38%だった。これは、Michele Mosca博士とMarco Paini博士が、44人の量子専門家を対象に行った調査とは大きく異なる結果になった。調査対象者の大多数は、2048ビットの数値を24時間以内に因数分解できる大型の量子コンピュータを実現するには、まだ少なくとも10年以上かかると考えていたが。。



※参考


◆Michele Mosca博士とMarco Paini博士が行った調査

https://quantumcomputingreport.com/quantum-threat-timeline-report-2020/


◆Quantum Originの詳細を記したニュースリリース

https://www.quantinuum.com/pressrelease/introducing-quantum-origin




(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report